婦人科
生理の悩みもご相談ください
【正常な生理の目安】
生理周期:25~38日の間
1周期の総経血量:20~140ml
出血持続日数:3~7日間(平均5日間)
生理のサイクルには卵巣ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類のホルモンが関連していて、これらのリズムが乱れると生理不順を引き起こします。
その他、ストレス、環境の変化、過度なダイエット・運動などによっても引き起こされます。
生理の異常
- 月経不順
- 月経困難症
- 月経前症候群PMS/月経前不快気分障害PMDD
- 過多月経
- 多嚢胞性卵巣症候群
生理の悩み
月経不順(稀発月経、続発性無月経)
生理周期が39日以上かかる生理を稀発月経、3か月以上生理がこないものを続発性無月経といいます。
多くは、ホルモンバランスがくずれることによって起こります。
思春期では卵巣機能がまだ発育段階のため無排卵によるものが多いです。
その他、過度な運動・ダイエットによる短期間での急激な体重減少、ストレス、下垂体腫瘍、薬剤が原因のこともあります。また、妊娠による無月経の可能性もあるため注意が必要です。
治療
無月経の種類や原因、年齢により治療法は異なりますが、長期間の無月経は今後の妊娠への影響もありますので早めに受診しましょう。
月経困難症
症状
生理痛が一番多く、腰痛、お腹の強い張り、嘔気、頭痛、食欲不振、イライラ、下痢症状など様々あります。
検査
子宮筋腫や子宮内膜症が原因のことがあるため、超音波で子宮・卵巣に異常がないか確認します。
治療
鎮痛剤、漢方、ホルモン治療などがあります。身体を温めたり、適度な運動によって血行を良くしたり、十分な睡眠も大切です。
月経前症候群PMS/月経前不快気分障害PMDD
生理の約1週間前から始まる精神的、身体的症状で、生理が始まると軽くなっていきます。
原因
主に女性ホルモンの急激な変動や生活環境・ストレスなどが関係しているといわれています。
症状
精神的症状:抑うつ、怒りの爆発、易刺激性・いらだち、不安、混乱、社会的ひきこもり
身体的症状:乳房痛・張り、腹部膨満感、頭痛、関節痛・筋肉痛、体重増加、手足のむくみ
過去3回の連続した生理周期の生理5日前に、精神的・身体的症状のうち少なくとも1つがあればPMSと診断できます。精神症状が主体で強い場合はPMDDと呼ばれます。
治療
-
症状日記をつける
症状を事前に予測しうまく対処できるようになることがあります。
症状以外に、どれくらい続いたか、いつ頃にその症状が起きたか、薬を飲んだなども記録しましょう。 -
生活指導
規則正しい睡眠、生活リズム、バランスの良い食事、適度な運動、リラックスできる方法をみつけることも症状改善につながります。 -
薬物療法
漢方療法、サプリメント(当院ではトコエルの取り扱いがあります)、低用量ピル、対症療法、鎮痛剤、吐き気止め、整腸剤などがあります。
過多月経
総経血量が140ml以上で過多月経といわれています。しかし、実際に出血量をはかることはできないので、例えば1時間ナプキンがもたないなどの症状や、貧血などで判断します。
原因
子宮筋腫、子宮内膜症(子宮腺筋症含む)、ホルモンの異常、血液が固まりにくい病気など
治療
ホルモン治療、偽閉経療法、外科的手術など
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
妊娠可能な年齢女性の5-8%にみられ、生理不順や不妊の原因になることがあります。生理不順に加え、超音波上左右の卵巣に多数の小嚢胞を認め、ホルモン検査で異常値を認めると多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。
原因
脳下垂体と卵巣から分泌されるホルモンバランスの乱れや、男性ホルモンの増加により卵胞の発育や排卵が障害されると考えられています。
症状
生理不順、排卵障害、不妊症、ニキビ、多毛、肥満など。
治療
低用量ピルを含めたホルモン治療、肥満があれば減量、現在妊娠を希望される方は排卵を誘発する治療などを行います。
おりものの悩み・かゆみ
おりものが多い、においが気になる、かゆみ、腹痛などがあれば感染症の可能性もありますので受診しましょう。
性感染症についてもご参照ください。
不正出血
生理以外の出血、閉経後の出血を不正出血といいます。
子宮の癌が原因のことがありますので診察をうけましょう。
子宮の異常
- 子宮のがん:子宮頸がん、子宮体がん
- 子宮頸部異形成(子宮頸がんの前段階)
当院では横浜市子宮がん検診が受けられます。また、子宮がん検査の2次検査にも対応しています。
子宮頸がん・子宮頸部異形成
子宮頸がんは子宮頸部という子宮の入り口側にできるがんです。
特に50歳未満の若い世代で増えており、年間約1万人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2800人が死亡しており、患者、死亡数とも増加しています。
原因
95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)が原因です。
性交渉の経験がある50〜80%はHPVに感染しているといわれています。多くは自己免疫により排除されますが、HPVに感染し続けると、一部の女性に子宮頸部異形成(前がん状態)を発症し、さらに数年かけて子宮頸がんに進行するといわれています。
症状
異形成や早期の段階では、ほぼ自覚症状はありません。進行すると不正出血、異常なおりもの、下腹部痛などの症状が現れます。
子宮頸がんは、早期に発見できれば比較的予後がよいといわれていますので、子宮頸がん検査を受けましょう。
子宮頸がん検査で要精密検査となった方は精密検査が必要です。
当院では2次検診が可能ですので、結果を持参し受診してください。
※2次検診はお電話で予約してください
子宮頸部異形成とは
子宮頸がんの前段階で、子宮頸部に異常な細胞を認める状態です。子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial
Neoplasia;CIN)とも呼ばれます。
軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成・上皮内癌(CIN3)の3段階があります。
検査
子宮頸部細胞診(一般的な子宮頸がん検診)を行います。細胞診で異常が出た場合は、必要に応じてコルポスコピー(拡大鏡)で子宮頸部を観察し、病変が疑われる場所から生検を行います(組織診)
治療
高度異形成、ハイリスクHPV陽性・長期持続する中等度異形成は、子宮頸部円錐切除術や蒸散などの適応があります。軽度・中等度異形成(治療適応外)は定期的な経過観察が必要です。
子宮頸がん検査の2次検診について
コルポスコピーという拡大鏡で病変部を観察し、子宮頸部の組織を採取(生検)します。結果が出るまでに約2週間かかります。
結果により治療が必要な方は紹介させて頂きます。経過観察となった方にはヒトパピローマウイルス(HPV)の型判定の追加検査をお勧めしています。
【注意点】
生理日は避けて来院してください。当日はなるべく予定をいれないようにしてください。
また、出血が多い場合は翌日止血確認のため来院頂く可能性があります。
※2次検診はお電話で予約してください。
子宮体がん
子宮体部、内膜にできるがんを子宮体がん(子宮内膜がん)といいます。
症状
一番多いのは不正出血です。その他、排尿時の痛み、性交時痛、下腹部痛など
検査
子宮内に細い検査のブラシを挿入し、子宮内の細胞を採取します。
子宮頸部細胞診より痛みを感じる可能性があります。
当院で子宮体がん検査を希望される場合は、超音波で子宮の向きや異常の有無を確認後に検査を致しますので、子宮体がんと超音波検査併用になります。
※子宮体がん検査は、不正出血などの症状がある方や医師が必要と判断した方を対象に行います。
子宮・卵巣の病気
子宮や卵巣に異常があると生理の異常、下腹部痛、不正出血などの原因となる場合があります。超音波で子宮・卵巣に異常がないか診察を受けましょう。
- 子宮筋腫
- 卵巣腫瘍
- 子宮内膜症・子宮腺筋症
子宮筋腫
子宮に発生する良性腫瘍です。筋腫ができる位置により、粘膜下筋腫(子宮の内腔に向けて発生)、筋層内筋腫(子宮筋層内に発生)、漿膜下筋腫(子宮の外側に向けて発生)に分けられます。閉経するまでは卵巣ホルモンの影響で徐々に大きくなる可能性があります。
稀に子宮肉腫といわれる悪性の腫瘍もあるため、急速に増大する場合は注意が必要です。
症状
月経痛、過多月経、貧血、不正出血、下腹部痛・腰痛、不妊症などです。
筋腫が大きくなると下腹部に腫瘤を触れ、膀胱の圧迫により頻尿などの症状が現れます。
さらに、巨大な子宮筋腫では血管を圧迫し静脈血栓症の原因になることがあります。
検査
内診、超音波検査、MRI、血液検査などを行います。
治療
症状の程度や筋腫の大きさ、筋腫の存在部位、今後の妊娠希望の有無により個別に選択します。
積極的な治療を要さない段階では3~6ヶ月毎(小さなものでは1年毎)の定期的な診察を行います。月経痛がひどい場合は鎮痛剤、過多月経により貧血になっている場合は鉄剤などを使用し様子を見ます(対症療法)。
筋腫が大きい場合や対症療法で対応困難な場合は薬物療法(ホルモン治療)や手術療法、子宮動脈塞栓術などの治療を妊娠希望の有無も含めて選択します。
卵巣腫瘍
卵巣にできた腫瘍を卵巣腫瘍といいます。
卵巣は子宮の左右に1つずつあり、通常では2-3cmくらいの大きさです。
卵巣腫瘍にはたくさんの種類がありますが、多くは良性の卵巣のう腫です。
さらさらした液体が貯留した漿液性嚢胞
どろどろした液体が貯留した粘液性嚢胞
脂肪や髪の毛などを含む皮様嚢腫
子宮内膜症が卵巣に発生した子宮内膜症性嚢胞・チョコレート嚢腫
などがあります。
症状
自覚症状がないことが多く、健診で初めて指摘されることも少なくありません。
腫瘍が大きくなると、腹部膨満感や頻尿、便秘、下腹部痛、腰痛などの症状がみられます。
また、腫瘍が捻れたり、破裂することで強い下腹部痛が生じ、緊急手術が必要になることがあります。
ホルモンを産生する卵巣腫瘍は、月経異常や不正性器出血を来すことがあります。
卵巣のう腫は、良性のことが多いですが、悪性腫瘍(卵巣がん)や遺伝性の癌もあります(遺伝性乳癌卵巣癌症候群:HBOC)。
検査
超音波、血液検査(腫瘍マーカーなど)、CT、MRIなど
治療
卵巣腫瘍の治療は基本的に手術による摘出です。摘出した卵巣腫瘍を検査し良悪性の鑑別をします。
検査の結果、手術適応のあるかたは、手術可能な施設へ紹介させて頂きますが、
明らかに良性腫瘍で大きさの変わらないものは当院でフォローが可能です。
また、卵巣腫瘍の種類によってはホルモン治療が適応になる場合があります
子宮内膜症・子宮腺筋症
子宮内膜症は通常子宮の内側の壁を覆っている内膜が、子宮の内腔以外の部位(卵巣や腹膜、子宮の壁の中など)に発生し発育を続ける病気です。
卵巣に内膜症ができた場合をチョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)といい、子宮の筋層にできた場合を子宮腺筋症といいます。
子宮内膜症の組織は女性ホルモンの影響を受け、周期的に増殖し出血を繰り返します。その結果骨盤内で慢性的に炎症を起こすことで痛みや不妊の原因となります。
同様に子宮腺筋症は子宮筋層内で周期的に増殖し出血するため、子宮筋層が厚くなることで子宮が大きくなり、卵巣にできた子宮内膜症性嚢胞は徐々に増大します。
症状
子宮内膜症は放置すると慢性骨盤痛や月経痛の増強、不妊症などの原因になります。
子宮腺筋症では月経困難症や過多月経、骨盤痛の症状がみられます。
卵巣子宮内膜症性嚢胞は稀に癌化することがあるため定期的な検診が必要です。
治療
薬物療法、手術療法などの治療があります。
治療法は症状や進行具合、年齢や今後の妊娠希望の有無などにより、患者様に合った治療法をご案内いたします。
更年期症状
年齢を重ねていくと卵巣からでるホルモンが減っていきます。それにより生理が1年こなくなった状態を「閉経」といいます。
閉経の平均年齢は約50歳ですが、個人差が大きく40代から50代後半まで閉経する年齢は様々です。閉経前後の5年間をあわせた10年間を「更年期」といい、その時期に現れる卵巣機能低下による症状を「更年期症状」、なかでも日常生活がつらく感じてしまう状態を「更年期障害」といいます。
症状
のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗、めまい、動悸、頭痛、倦怠感、不眠、不安など
治療
漢方、エクオール(エクエル)、ホルモン補充療法、プラセンタ注射・内服(ポーサイン)など
更年期チェックも可能です。